スイスにおけるプログラミング言語Ruby

ジュネーブで開催されたHelvetic Ruby 2025の参加者の集合写真
Helvetic Ruby 2025の様子Helvetic Ruby 2025の様子Helvetic Ruby 2025の様子Helvetic Ruby 2025の様子Helvetic Ruby 2025の様子Helvetic Ruby 2025の様子Helvetic Ruby 2025の様子Helvetic Ruby 2025の様子
ジュネーブで開催されたHelvetic Ruby 2025に集まったスイスのRubyコミュニティ。写真:Helvetic Ruby、アルバム全体。

Rubyをおすすめする理由

RubyRuby on Rails

Rubyは日本生まれのモダンなプログラミング言語です。習得しやすく、読みやすさ、コードの短さ、記号の少なさで他の言語より際立っています。Ruby on Railsのようなフレームワークを使えば、Webアプリケーションをはるかに速く構築できます。Ruby on RailsはShopifyなどの企業を支えており、Shopifyの加盟店は2025年のブラックフライデー/サイバーマンデーの週末だけで合計146億ドルを売り上げました。

Rubyは1995年に日本でまつもとゆきひろ(Matz)氏によって生み出され、以来、ボランティアやRuby企業の社員からなる国際的なチームによってオープンソースとして開発されています。Ruby on Railsは2004年にデンマーク人のDavid Heinemeier Hansson氏によって作られ、独自のコアチームが開発しています。Hanami、Sinatra、Rodaなどと並ぶRubyのWebフレームワークの中で、最も人気があります。RubyはGTK3やLibUIといったライブラリによるデスクトップアプリケーションや、mrubyやPicoRubyによるマイコンにも使われています。

RubyKaigi 2026でのAndi Idogawaとまつもとゆきひろ(Matz)氏
函館で開催されたRubyKaigi 2026にて、Rubyの生みの親であるまつもとゆきひろ(Matz)氏と Andi Idogawa。Spinelを発表した基調講演の直後に撮影。

Rubyを使う主要企業

RubyはRuby on Railsだけではありません

RubyをRailsの言語としてしか知らない人も多いでしょう。しかしRubyは汎用言語であり、読みやすいコードと素早い成果が求められる場面ならどこでも力を発揮します。

CTOと意思決定者のためのRuby概要

ShopifyGitHubGitLab

Railsの実際を見る

Rails公式チャンネルで公開されているTypecraftの動画シリーズ Rails 8 Unpacked では、タスク管理アプリを一歩ずつ作りながら、Railsアプリケーションがいかに素早く形になるかを紹介しています。下の動画では、Typecraftが完成したアプリをKamalで自前のサーバーにデプロイします。

Deploying with Kamal 2.0, Rails 8 Unpacked(動画を再生)▶

動画はクリックしたときにのみYouTubeから読み込まれます。

全エピソード(多くは12〜20分、再生リスト):

  1. イントロダクション
  2. 認証ジェネレーターによるログイン
  3. Propshaftによるアセット管理
  4. 「Solid Trifecta」の概要
  5. Solid Cableによるリアルタイムメッセージング
  6. Solid Cacheによるキャッシュ
  7. Solid Queueによるバックグラウンドジョブ
  8. デフォルトのDockerfile
  9. Kamal 2.0によるデプロイ

なぜC#だけでなくRubyなのか

スイス企業ではC#とJavaが広く使われています。その背後には、巨額のマーケティング予算を持つMicrosoftとOracleがいます。Rubyにはマーケティング部門がありません。Rubyを支えているのは、コミュニティと、Rubyで成功している企業です。ですから、スイス企業でRubyの話をあまり聞かないことは、その品質についてほとんど何も語っていません。新しいWebアプリケーション、社内ツール、プロダクトにはRuby on Railsを選ぶ理由が数多くあり、既存の環境にも溶け込みます。RailsはAzure、Google Cloud(GCP)、AWSで動き、SQL Serverと連携でき、ログインにはEntra IDを使え、RubyはWindowsでも動作します。

リスクの低い始め方:既存のソフトウェアと並行して、次の社内ツールやプロトタイプをRailsで作ってみてください。数週間のうちに、小さなチームがどれほど速く進めるかを実感できるはずです。

AI時代のRuby

今ではClaude CodeやCopilotのようなAIアシスタントがコードの大部分を書いています。Rubyはこの状況に特によく合います。

言語別、Claude Codeがミニ版Gitを作るのにかかった時間:Ruby、Python、JavaScriptが最速
Claude Codeがミニ版Gitを構築・拡張するのにかかった時間、各言語20回(Claude Opus 4.6、2026年3月)。平均:Ruby 73秒・0.36ドル、Java 115秒・0.50ドル、TypeScript 133秒・0.62ドル。グラフとデータ:遠藤侑介、ai-coding-lang-bench.

静的型付け言語は1.4〜2.6倍の時間がかかり、コストもそれに応じて増えました。またRubyのコードは219行とほぼ最少で、Javaは303行、Cは517行でした。C#はテスト対象外ですが、最も近い比較対象はJavaです。コードとデータは公開されており、検証できます。

RubyがAIネイティブな企業に合う理由

プログラムはコードの中だけでなく、それを作り運用する人々の頭の中にも存在します。計算機科学者のPeter Naurは1985年に“Programming as Theory Building”でこのことを述べています。本当のプログラムとは、ソフトウェアがなぜ今の形になっているのかについてのチームの理解だ、というのです。その理解が失われると、かつてのコードがどれほど優れていても、あらゆる変更がリスクになります。

AIがコードの大部分を書くようになると、この点はむしろ重要性を増します。生成されたコードを誰かが読み、理解し、レビューし、責任を持たなければなりません。コードが読みやすいほど、チームは理解を保ちやすくなります。これこそRubyが目指したものです。MatzはRubyを機械のためではなく人間のために設計しました。Rubyのコードは短く、ほぼ英語の文のように読め、意図と実装の間のノイズがほとんどありません。

ソフトウェア開発の中心は今も人です。解決策を必要とする人、そしてそれを理解し前に進め続ける人です。AIは書く作業を速くしますが、理解することは私たちの仕事であり続けます。Rubyはその仕事を楽にしてくれます。

RubyEvents.orgの関連講演:

インストール不要でRubyを試す

Chunky Baconは、英語とドイツ語で提供している無料のインタラクティブなRubyコースです。ruby.wasmにより完全にブラウザ上で動作し、ページ上で本物のRubyコードを書いて実行できます。Chunky Baconについて詳しく

学ぶ・調べる

スイスでRubyを使っている企業

その他の企業

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スイスのRubyイベント

講演中の満員の会場休憩中の参加者講演の合間の会話
ジュネーブで開催されたHelvetic Ruby 2025の参加者。写真:Helvetic Ruby、アルバム全体。

Helvetic Ruby 2026:11月19日・20日、チューリッヒ

Helvetic Ruby 2026、11月19日・20日、チューリッヒ

Helvetic RubyはスイスのRubyカンファレンスです。シングルトラック形式で、参加者同士が交流できる長めの休憩があります。ベルン(2023年)、チューリッヒ(2024年)、ジュネーブ(2025年)に続き、2026年はチューリッヒに戻り、Technopark(Technoparkstrasse 1)で開催されます。

主催Dimiter PetrovDimiter PetrovHana HarencarovaHana Harencarova

2026年の主な講演:

QoQaRenuoPuzzle ITCpia PlanerDeplo.ioEndress+HauserRoRvsWild

スイスのスポンサーにはQoQa、Renuo、Puzzle ITC、pia Planer、Deplo.io、SwissDevJobsが名を連ねています。2025年には、自社でもRubyを使っているライナッハ(バーゼル=ラント準州)のEndress+Hauserと、ジュネーブのBase Secrèteが開発したRailsアプリ向けモニタリングツールRoRvsWildもスポンサーを務めました。チケット · 過去の動画も見られるRubyEventsのHelvetic Rubyページ

過去の講演動画

Helvetic Rubyの講演はすべてRubyEvents.orgで無料で視聴できます。その一部をご紹介します。

2025年、ジュネーブ · 全講演

Contributing to Ruby Core: From Local Development to Global ImpactJasveen SandralThe Test Pyramid and the Temple of LoveRonan Limon DuparcmeurActiveRecord Unveiled: Mastering Rails’ ORMJess SullivanMore feedback! Quantity becomes qualityKyle d'OliveiraBeyond Caching: Best Practices for Scaling your Rails ApplicationKinsey Durham GraceModelling the Cosmos in Ruby: Applying OOP and DDD to Astronomical ConceptsRémy HannequinThe art of code: Finding Aesthetics in logic.Yara Debian

2024年、チューリッヒ · 全講演

Revisiting the Hotwire Landscape after Turbo 8Marco RothThe Boring Bits Bite BackKatie MillerLessons learned from running Rails apps on-premiseAndy PfisterAsk your logsYoussef BoulkaidThe Very Hungry TransactionDaniel ColsonHow to Accessibility if You’re Mostly Back-EndHilary Stohs-KrauseThe Power of Crystal: A language for humans and computersJohannes Müller

2023年、ベルン · 全講演

Profiling Ruby tests with Swiss precisionVladimir DementyevA Sneak Peek into Ractors!Abiodun OlowodeHow to Keep your Database HappyKaren JexPostcards From An Early-Career Developer's First MonthsHarriet OughtonThe Functional AlternativeJu LiuHow to bootstrap your software startupIsabel SteinerA Rails performance guidebook: from 0 to 1B requests/dayCristian Planas and Anatoly MikhaylovAnatomy of a Sonic Pi SongRaia

その他のミートアップ

スイス国外のイベント

カンファレンス講演の動画

多くのRubyカンファレンスやミートアップの講演をRubyEvents.orgで無料で視聴できます。

リンク

著者:Andi Idogawa、スイス・アールガウ州アーラウ地域のRuby開発者。